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少食ガリガリでも筋トレで筋肉を増やすための食事戦略

目次

少食でも筋トレで筋肉を増やすことは可能か

今回は、

「あまり食べられないんだけど筋肉を増やせるの?」

という疑問に答えていく。

最初に答えを言うと「そのままでは筋量アップは厳しいが、きちんと戦略を立てていけば可能」だ。

自分も少食だったし、現在もそうだ。

おいしいものを食べるのは好きだが、量が入らない。腹八分目で十分満足できる。お腹が空かないと食べる気にならないからおやつもほぼ食べない。

食後のデザートも、甘いものは別腹とよく言われるけど、わからなかった。胃は1つでお腹いっぱいなのに入るわけがない。

でも、ここに書いたようなことを実践していくうちに必要な栄養が摂れるようになった。

少食でも知識があればバルクアップできる。

では始める。

筋肉や脂肪がつきやすい体質、つきにくい体質はある

筋肉や脂肪がつきやすい体質、つきにくい体質というのは確かに存在する。

たいしてトレーニングもしていないのにマッチョを維持している人もいる。

太っている人は1.5リットルの清涼飲料水を1日で飲み干し、お腹が空いていなくてもバクバク食べることができる。

体質は今から劇的に変えるのは難しい

かといって諦めたほうがいいとはとても言えない。

筋肉は30代を境に年1%ずつ減っていく。何もしなければ歳をとったときに衰えてサルコペニアやロコモになってろくに動けなくなる。

特に減りやすいのは速筋だ。速筋は肥大させやすいし衰えやすい。100m走の選手がムキムキなのは速筋の塊だからだ。トレーニングをやめるとすぐに筋肉が落ちる。

筋トレは主に速筋を鍛える運動なので、衰えにあらがうには筋トレを習慣化しておく必要がある

体脂肪率15%以下だと筋トレしても筋肉がつきにくい

まず注目したいのは体脂肪率だ。

体脂肪率が15%以下だと筋トレしても筋肉がつきにくい。

よって、ガリガリの人がまず最初にやることは筋トレではない。太って脂肪をつけることだ

なぜなら、脂質は飢餓状態でも生き延びるために必要だからだ。現代日本ではなかなか飢えることはないが、動物としての本能は飢餓に備えて脂肪をある程度蓄えることを要求する。

体に充分な脂肪が蓄えられていないと、「まずは脂肪を増やすことが優先だ」と体は判断する。筋トレしても食事をしても栄養が筋肉合成に使われにくく、脂肪を優先して作り出す。

ということで、まずは自分の体脂肪率を把握しておこう。

筋肉がつかない原因はトレーニングではないかもしれない。

少食の人が筋肥大を目指すときの食事戦略

体重増加に必要な摂取カロリーを知る

摂取カロリー > 消費カロリー にならないと体重が増えない。

そこで、まずは自分の消費カロリーを知ろう。

こちら↓のサイトで1日の消費カロリーが算出できる。

TDEEの計算 – 高精度計算サイト

例:
25歳男性
身長:170cm
体重・55kg
活動レベル:ほぼ運動しない
活動代謝量(TDEE)1,799kcal

これが1日の消費カロリーだ。

摂取カロリー > 消費カロリー(1799kcal)

つまり体重を増やすためには、1日の食事で1800kcal以上摂る必要がある。

という感じで、自分の摂取カロリーの目安を覚えておこう。

優先して摂取する栄養素はたんぱく質、脂質、炭水化物

優先して摂取する栄養素はたんぱく質、脂質、炭水化物の3つだ。

たんぱく質と炭水化物は4kcal/g、脂質は9kcal/gのエネルギーがある。これらを多く含む食品を優先して食べることで、カロリーを摂取しやすくなる。

野菜は果物は後回しだ。野菜が体にいいのはもちろんだが、胃の容量には限りがある。キャベツの千切りでお腹を膨らませてしまうと必要なカロリーがとれない。

主食(米・パン・パスタなど)と主菜(肉・魚・卵・豆腐など)から手を付けるようにしよう

牛丼とサラダがあったら、まず牛丼を食べて、余裕があればサラダを食べる、という順番だ。

食べるのが辛いなら脂質の割合を増やす

必要なカロリーを摂るにはそれだけ食べなくてはいけない。しかし少食だとあまり食べられない。食事量を増やさずにカロリーを増やすなら、脂質の割合を増やそう

カロリー摂取効率だけでいえば脂質がダントツで高い

たんぱく質と炭水化物は4kcal/g、脂質は9kcal/g。同じ分量でもカロリーが倍違う。

わかりやすい脂質は揚げ物だ。とんかつ、からあげ、天ぷら。

揚げ物がニガテなら、

・脂質の多い食材(豚バラ肉など)を使う
・生野菜にマヨネーズをかける
・中華スープにごま油を垂らす

といった工夫でもカロリーが増やせる。

たんぱく質が足りなければプロテインを使う

たんぱく質の1日の摂取量の目安は、運動をしない人で体重と同じグラム数(体重60kg→たんぱく質60g)。筋トレをする人だとさらに1.2倍~2倍必要と言われる。

炭水化物や脂質は意識せずともそれなりに摂れるが、たんぱく質は意識して摂らないと不足しがちだ。

たとえば牛丼。牛肉が使われているためたんぱく質がたくさん入っているように思えるが、一般的な牛丼に使われるのはバラ肉(カルビ)で、脂質が多くたんぱく質量はさほどでもない。

たいていの食品はたんぱく質とともに脂質も摂取してしまう。高タンパク低脂質と言われる豆腐だって100gあたりたんぱく質7.0gに対して脂質が4.9gが含まれている。

そこで活躍するのがプロテインだ。

プロテインはピンポイントでタンパク質のみを補給できる。極端な例えをすると鶏ささみを飲み物にしたようなものだ。

少食で食事からタンパク質を摂りきれないなら、使わない手はない。

ちなみに自分はマイプロテインを使っている。

ビタミンとミネラルはサプリやジュースも使う

野菜や果物は言うまでもなく大切だ。しかし先ほど述べたようにタンパク質・脂質・炭水化物のほうが優先だ。そうすると野菜や果物の栄養素を食事以外の何かで補う必要がある

野菜ジュースでもいいしマルチビタミンのサプリでもいい。

飲み物や錠剤で手早く摂れるのだから使わない手はないだろう。

あと牛乳はお腹を下さないなら1日1杯(200cc)は飲みたい。たんぱく質、脂質、鉄、カルシウムと複数の栄養素が摂れる。

間食でカロリーを摂る

1回で量が摂れないのなら、食事の回数を増やすという手がある。正式な食事でなくても、カロリーを摂るなら間食で十分だ。

たんぱく質を意識して食事をしていると、次に不足するのは糖質だ。

そこで、糖質を多く含む食べ物(おにぎり、サツマイモ、まんじゅうなど和菓子全般)をおやつに食べる

自分も体重を増やそうと、別に腹は減っていないのだが、おやつにおにぎり100gを食べていた。3食しっかり+おやつで2ヶ月で2kg増えた。

下痢は食べ過ぎのサイン

食事は、食べるだけでなく吸収できて初めて栄養になる。

しかし、下痢をしている場合、きちんと消化吸収できていないことを意味する。

食事の吸収量は「食べる量×吸収率」で決まる。いつもの量を食べて90%吸収されるのと、1.5倍の量を食べて60%吸収されるのでは、吸収量は同じだ。

食事を増やして下痢をするようなら食事を減らしたほうがいい。

逆に言うと、下痢が起こらないなら、食べる量や頻度を増やしても大丈夫だといえる。

少食の人のトレーニング時の注意点

空腹状態でやらない

空腹状態だとトレーニングすればするほど筋肉が減る

なぜか。

通常の状態だと、トレーニングで消費されるのはグリコーゲンだ。

グリコーゲンは糖質から作られ、肝臓と筋肉に貯蔵される。

しかし空腹状態だと、体内のグリコーゲンが減って血糖値が下がっている状態だ。

本来燃料にすべきグリコーゲンがない状態でトレーニングすると、体は別のものを燃料にする。たんぱく質だ。空腹状態だと筋肉のタンパク質を分解してエネルギーを作り出す

つまり、空腹状態だとトレーニングすればするほど筋肉が減る。

これを避けるためには、トレーニングの1時間以上前に糖質を摂取しよう

仕事や授業が終わってトレーニングに行くのが夜7時頃だとしたら、ちょうど腹が減ってくる頃だ。そこで、5時ごろにパンやおにぎりを食べておく。大量に食べる必要はない。おにぎり1個程度で十分だ。

これで筋肉の分解を減らすことができる。

トレーニング後はできるだけ早く糖質とたんぱく質を摂る

トレーニング後はできるだけ早く糖質とたんぱく質を摂ろう。

トレーニング後は体内のグリコーゲンが減っている状態で、すぐに補充してあげないとその後の活動でたんぱく質を分解し始めてしまう。

また、トレーニング後はたんぱく質を吸収しやすい体になっているので、ここを生かさないのはもったいない。

ということで、糖質とたんぱく質と書いたが、ふつうに食事を摂れればベストだ。食事の時間がまだなら、プロテインとパンなどの組み合わせが手っ取り早い。

参考文献:スポーツ栄養学 理論と実践(日本文芸社)

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