「焼肉って筋トレ中はいいよね肉だから!?たんぱく質だもんね!?筋肉のもとだもんね!?食べれば食べるほどムキムキになるよね!」
そう思っていた時期が自分にもあった。
しかし、調べてわかったことは、「何も考えずに焼肉食うと確実に太る」ということ。
とはいえ絶対ダメというわけではない。うまくコントロールできれば焼肉も立派な筋肉飯になる。
ということで今回は筋トレ民が焼肉を食う上で知っておくべき知識を残しておく。太りたくない人なら必ず役に立つ。
なお、この記事では牛肉のみに絞って話をする。豚肉や鶏肉のメニューも考えている人はこちら。
そもそも筋トレに焼肉は向いてるのか
「そもそも筋トレに焼肉は向いているのか?」
結論からいうと、向いていない。
筋肉飯のルーティンとして組み入れるには不適だ。
理由はシンプルで、脂肪が多い。
たしかに、牛肉はタンパク質源としてはアリだ。アミノ酸スコアは堂々の100。
しかし、焼肉で人気のメニューはほぼすべてたんぱく質より脂肪の方が多い。
カルビ、タン、ホルモン・・・
欲望のままに食べていると確実にカロリーオーバーする。
さらに大盛りの白飯も加わったらもはやデブエットメニューといっても過言ではない。
たまのご褒美ならアリ
ただし、たまのご褒美としてならアリだ。
筋肉飯のルーティンはバリエーションがあまりない。何日も何ヶ月も鶏むね肉とブロッコリーを食べ続けると飽きてくる。
そこで、月1回程度、そういうのを気にせず食べる機会を設けて欲望を解消する。
常食にするのは考え物だが、たまにならオーバーするカロリーもたかが知れているし、気持ちも潤うだろう。
本記事では、筋トレメニューとしてのアプローチを伝えるが、友人と行ける数少ない焼肉の機会を思いっきり楽しみたいというのなら、ここで書かれたことはすべて忘れて楽しんでくるといい。
それでまた明日からがんばればいいじゃないか。
筋トレ中に食べるべきおすすめ部位
筋トレ中に食べるべき部位は、言わずもがな「高タンパク低脂質」の部位である。
牛肉で探すとどうしても亜流がメインになってしまうというか、メジャーな部位を外さざるを得ない。
逆に考えれば、これから紹介する部位を好きになることができれば、焼き肉を筋肉飯のルーティンに組み入れることも可能だ。
ミノ
ミノは牛の胃だ。正確には4つある胃のうち1つ目の部分にあたる。
100gあたりたんぱく質24.5g、脂質8.4g。非常に優秀だ。鶏ももに近い栄養配分。
コリコリとした歯ごたえで、タレがよく絡むのでご飯が進む。
たくさん食べても罪悪感がないし、立派な筋肉飯として成立する。
注意点としては、「ミノサンド」は選ぶな。
「ミノサンド」は筋肉と筋肉の間に脂肪がサンドイッチされている。この脂肪は不要だ。
ふつうの「ミノ」「上ミノ」を選ぶこと。
ハツ
ハツは心臓の筋肉だ。
100gあたりたんぱく質16.5g、脂質7.6g。優秀だ。
分類するとホルモンなのだが、その中でも味や食感がもっともふつうの肉に近い。赤身肉を食べている感覚だ。
だからカルビやハラミを食べたくなったらハツを注文するといい。
あまり我慢している感覚なく焼肉を楽しめるだろう。
ヒレ
ヒレは知らない人はいない有名部位だ。
柔らかくてうまくてカロリーが低い。文句のつけどころがない。願わくばこれだけ食べていたい。
100gあたりたんぱく質20.5g、脂質4.8g。非常に優秀だ。
ただし値段が高い。カルビの倍ぐらいする。値段を見ずに頼める人でないと頼むのに躊躇するだろう。
なにしろ1頭の牛から3%しか取れない希少部位だ。安い焼肉店や食べ放題の店だとそもそもメニューになかったりする。
栄養価的にはすばらしいので、財布と相談しよう。
シマチョウ・マルチョウ以外のホルモン
ホルモンは全般的に脂肪が少なく、狙い目だ。
・レバー
・センマイ
・コブクロ
・マメ
・テッポウ
このあたりだ。
ただしどれも人気の部位とはいいがたい。レバーは好き嫌いが分かれるし、センマイばかり食べている人など見たことがない。
(余談だが「マメが大好きでマメばっか食ってる」という人は見たことがある)
肉の旨味を味わいたいのなら不満が残るかもしれないが、このさい一度は食べてみることをおすすめする。
人気だけど筋トレ中はおすすめしない部位
残念ながら、焼肉で人気のメニューはすべて脂肪が多く、筋トレ中はおすすめできない。
カルビ(バラ)
カルビ(バラ)はダントツ一番人気の部位だが、実は筋トレの天敵だ。
あらゆる部位の中でも1,2を争うほど脂質が多い。
100gあたりたんぱく質11.0g、脂質50.0g。
カロリー換算すると、たんぱく質と脂質の比率は1:9。ほぼ牛脂を食っているようなものである。
筋トレに肉がいいのは間違いないが、大量の脂質がセットでついてくるカルビはどう見ても筋トレ向きではない。
カルビ、ダメ、絶対。
ハラミ
ハラミは横隔膜の筋肉だ。一応ホルモンだが、普通のお肉の感覚で食えてカルビよりさっぱりしている人気者。
しかし残念ながら筋トレには不向きな部位だ。
100gあたりたんぱく質21.1g、脂質37.2g。
「え?脂肪のほうが多いの?噓でしょ?」と思った人もいるかもしれない。
実は自分もこれを知るまでハラミばかり食っていた。
見た感じ赤身肉だし、横隔膜だというのは知っていたから、
「呼吸のために24時間動き続けてる筋肉はムキムキに決まってんだろ。脂肪なんかついてるわけねーだろ」
と思い込んでいたのだ。カルビの上位互換のつもりでバカスカ注文していた。
しかし現実はこのとおりだ。以来ハラミは注文していない。
タン
塩タンはレモン汁も相まってあっさりのイメージが強い部位だ。
しかしこれも意外に脂質が多い。
100gあたりたんぱく質13.3g、脂質31.8g。
1,2枚食べるぐらいなら大丈夫だがメインにするのはやめておこう。
マルチョウ(ホルモン)
内臓系は全般的に高タンパク低脂質で筋トレにおすすめだが、マルチョウは例外だ。
100gあたりたんぱく質9.9g、脂質26.1g。
ぷりぷりの部分、あれはほぼ脂質だ。
焼けば焼くほどぷりぷりの部分が落ちてヘルシーになるが、せっかくの醍醐味をそぎ落としてただの皮みたいになったマルチョウで満足できるのか?それなら食べないほうがいい。
同じ理由でモツ鍋もおすすめしない。
筋トレ中に焼肉を食べるときの注意点
筋トレ中に焼肉を食べるときの注意点を述べる。
良く焼いて脂を落とす
「どうしてもカルビが食べたい!」「我慢できない!」という人もいるだろう。
そんなときはできるだけウェルダンにして脂を落とせ。
多少のカロリー削減効果が期待できる。
食べた後に無塩トマトジュースを飲む
焼肉を食べた後は無塩トマトジュースを飲め。
その理由は「塩分排出」だ。
焼肉はタレや塩で食うため、どうしても塩分が多くなる。脂の多い部位を避けるとさっぱりしていて量が食べられるため、なおさらだ。
そこで塩分を排出する効果のあるカリウムを摂る。
カリウムの多い食材は他にも里芋、ほうれん草、カボチャ、ニンジンなどがあるが、焼肉屋のメニューではたくさん摂れない。焼き野菜の盛り合わせだと他の野菜もついてくるしな。
一番手っ取り早いのが食後のトマトジュースだ。焼肉屋を出た後、コンビニで買って飲め。
栄養バランスはサプリでとる
焼肉はどうしたってバランスのいい食事とはいいがたい。
だから、ビタミンやミネラルはあとでサプリで摂れ。
焼肉を食ってる最中に栄養バランスなど気にするな。タンパク質と脂質だけ考えていればいい。体調に気を使って焼き野菜やサラダを注文するのは止めないが、あんまり気にしていると焼肉を楽しめないぞ。
筋トレ飯全般に言えるが、あれこれ考えて野菜を食うより脳死でサプリを飲んだ方が手っ取り早いし確実に栄養摂取できる。
サプリは筋トレ民の必須アイテムだ。
カルビなどの脂っこい部位を食べてしまったときはどうする?
「せっかくの焼肉じゃん!我慢できないよ!カルビやタンやホルモンが俺を呼んでんだよ!周りもみんな食ってんだよ!」
気持ちはわかる。
これまで筋肉飯としての側面ばかり述べてきたが、数少ない大好物の機会にまで食べたい気持ちに蓋をするのもぶっちゃけ辛かろう。
ふだんストイックにがんばっている自分へのご褒美としてたまには好きなものを好きなだけ食べたい、というならアリだ。
食べなさい。カルビ。タン。ホルモン。好きなだけ食べなさい。
仮に腹いっぱい食べたとしても、オーバーするカロリーはせいぜい1000kcal。
月1回程度なら、余裕で挽回できる。
食べる前
焼肉屋に行く前にこれを読んだのなら、リンゴ1個食ってからいけ。
キャベツなどの生野菜でもいい。
カロリーの少ないもので、胃の中をかさ増ししておくんだ。
そうしておけば、食欲を阻害しないわりに、空腹のときより食べる量が少なくて済む。お金も浮いて一石二鳥だ。
食べた後
コンビニに寄って、以下のどれかを買って飲んでおけ。
・からだすこやか茶
・黒ウーロン茶
・綾鷹
いずれもトクホで脂肪の吸収を抑える効果がある。
今回は以上だ。
繰り返すが筋トレ中だからといってすべてを我慢する必要はない。
ここに書かれたことを学んで、素敵な焼肉ライフを送ってくれ。